棒と鳥


boutotori

海から16本の棒が輪になって突き出ています。
全部のさきっぽには鳥が留まっています。
すべての棒に、1羽ずつ。

留まりたそうにしている鳥がほかにもいて、ときどき様子を見に来ます。
でも棒はいっぱい。[満]。

あ、一羽飛び立ちました。
すぐに別の一羽が空いた棒に留まりました。[満]。

飛んでいった鳥は気前のいい鳥。

わたしなら、ちょっとくらい飛びたくても我慢します。
棒、取られたくないから。

手づくり絵本講座


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今日は愛知県図書館で手づくり絵本講座があった。荒井良二氏を講師に招いて。わたしはボランティア参加。

なんとすごいよ、図書館ではゴミになってしまう本の帯(本を買うとよく表紙の上に巻いてあって、○○賞受賞!とか○○氏推薦「史上空前のおもしろさです」とか書いてある宣伝用の紙)を使って、ちっちゃな絵本と本棚を作ろう、というのです。

先生はまずそのへんにある紙を手にとって「これは紙。メモにも使えるしいろいろ役に立つ。でも(紙をグチャグチャっと丸めて床におっことし)こうなってたらどうする?」とこどもたちに問う。あるこども、手を挙げ指されそばにあったゴミ箱にそれを落っことす。「そうだよね、ゴミになってしまう。ぼくはいつも、ゴミはいつゴミになるんだろうって答えのない問題について考えているんです」と説く。

べつにエコとかのはなしじゃない。つまり遊び心のはなしだ。

そして先生は話を、図書館から出るゴミ、すなわち本の帯へと運ぶ。開場中央には、帯が山盛りに積まれてある。先生は、みんなでこの膨大なゴミを絵本にして、先生が事前に用意した本棚(これも捨てられる直前のダンボールに落書きして、ただの魚みたいなしゃちほこ──と先生が説明した──をくっつけたもの)をいっぱいにしようと提案した。

絵本はかんたんに作れる。ほそ長い帯を等分に切ってホチキスで留め、それに好きなように落書きする。それだけ。

絵本講座だが、おもしろい絵本を作る講釈はいっさいない。

こどもは最初おずおずと、おとなのマネをして切ったり留めたりしだした。すごいのは、だれもストーリーに悩まなかったこと。先生はなにも説明しなかった。「ここに何か描けば、描かなくても、これは立派な本です」と言ったので、こどもは切って留めるだけでそれを「自分がつくった本」だと思って、あとはてきとーに飾ったのだ。こどもの「てきとー」な発想を引き出すのは普通の大人にとってむずかしい仕事。でも先生はなんの説明もなしにこどもの「てきとー」を引き出してしまった。

穴あきの絵本や、ながーいグルグル巻きの絵本、国の名前が羅列された絵本など、いろんなのができた。ものすごい早さで流行作家並みに作る作家、慎重に丁寧に美しい装丁の本を作る作家など、いろんなこどもがいた。

こどもは自作の絵本を収めるのに、荒井氏手製の本棚より平積みの台の方を好んだ。できるだけたくさんの人に見てもらうには、平積みのほうが有功だからだ。作品は図書館にしばらく飾って一般の人に見てもらうことになっていた。

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講座の最後、ある子が「持って帰っちゃだめ?」とわたしに聞いてきた。「ひとつならいいよ」と言うと「ぜんぶ持って帰りたい」と言う。自分の作品に対する深い愛情に、わたしはひとかたならぬシンパシーを感じ、「いいんじゃない? 持って帰っちゃえ」とこっそり、勝手なことを言った。

あまった帯は、手に手に持ち帰られた。いままで気にも留めず捨ててしまっていたものが、こどものりっぱなおもちゃになった。

すごいにゃー。「あたし才能ない」とか言ってる場合じゃないです。

そうそう、荒井氏はワークショップがライフワークなんだそう。こどもとのあそびは机の上のひとりあそびとはわけがちがうもんね。

CD『昔話 ふるさとへの旅』


昔話ふるさとへの旅【広島】
日本の昔ばなし 山根正彦 新中兼福 市原悦子 菅川久子 倉本澄
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地方のむかしばなしを方言で話してくれるCDがないかと思っていたら、図書館で見つけた。図書館はすごいな。

今回借りたのは広島版。地元の人らしい語り部の、生々しいイントネーションがなんとも。広島弁はかわいい。がさつな名古屋弁で育ったわたしはくすぐったくなってしまう。

土地に根付く伝承をその土地の言葉で「語る」というのは、長い長い時間かけて育った文化。古い庭のコケのようなもので、一度枯れたらもう命を吹き返すことができない。ほどよい湿り気を含んでいて、土地の形に添った、きれいできもちよくて、とってもいいもの。お金を動かすための生まれては消えていく娯楽には、ぜったい真似できないものです。

自分とこの方言というのは愛着を感じにくいもの。ましてよその方言は聞く機会さえほとんどない。でも、改めて聞いてみると方言って味わい深くて、文語にはないリズムもあって、とってもいいものです。またよその言葉を聞くと、自分の土地の言葉への愛着も沸きます。

このようなたのしみのための娯楽は、お金を動かすためのインパクトのある娯楽にどんどんおいやられて、ほんとに枯れてしまいそう。一度枯れたらもう命を吹き返すことができません。だからできるだけたくさんの人に、お金にまどわされてない文化のよさを顧みてほしい。

さて、昔ばなしの貧乏には悲惨さがないですね。「貧乏=苦しい」というイメージは、お金中心の世界に生きてる人が勝手に作った幻想で、実際は貧乏でも金持ちでも、幸せ:不幸の比率はそれほど変わらないのじゃないかと思います。いいマンション、いい車、いい洋服‥‥というけど、わたしはそれが「人に自慢するためのいい・」か、「自分がたのしむためのいい・」かの区別が、一瞬で見分けられますよ。

売るための文化ではない、今日のたのしみのための文化を、たくさんの人がちゃんと見抜いて大切にする日本になれば、わたしはうれしい。

CD『今もなお愛されている唱歌・童謡』


今もなお愛されている唱歌・童謡
童謡・唱歌 錦織健 すずかけ児童合唱団 ひばり児童合唱団 杉並児童合唱団 坂本紀男
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図書館で借りました。

わたしは小さいとき、親が買った童謡のテープをあまり聞かず、それどころかテープを引っ張り出して壊してしまいました。でも何本かあったうちの1,2本は聞ける状態で生き残りました。

小学校に入ったころだったか、めずらしく母が家を留守にしたことがありました。わたしは気まぐれに古いテープを取り出して、そのテープが締まってあった日の当たらない畳の部屋でいつまでもジッと聞いていたような気がします。帰ってきた母も、「なんでいまさらそんなの聞いてるの?」とびっくりしていたような気がします。記憶あいまい。エピソード自体ウソかも知れない。

昔からあるこどもの歌は文学的ですね。簡単な言葉のつらなりがものすごく深淵。また、書き文字でない「歌」という形で入ってくる日本語は、メロディとあいまってとても美しい響き。

アンパンマンもいいけれど、たまにはこういうのも、こどもと一緒に歌いたいものです。

本『白い巨塔 1』


白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)
山崎 豊子
新潮社
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このブログのテイストではないが、夢中で読んでいるのでつい書く次第。

唐沢寿明バージョン(新しい方)のテレビドラマで見たときに、そのうち本で読みたいと思って買い置いてあったものをやっと開いた。当時親しくしていた外科医の方が「まさにこう。今も変わらない」と言ってたのが思い返されます。

白は医師・病院を象徴する白衣の白。巨塔は医療業界の巨大なヒエラルキー。

文学でありジャーナリズムですね。