『野生児の記録1 狼に育てられた子』
2009年10月18日 日曜日 00:07
(野生児の記録 1)
福村出版
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1920年に捕獲されたアマラとカマラは、当時、心理学者の非常な好奇心の的になったよう。このころ、同じような野生児がよく(?)発見されていたせいもあると思うけど、それより、子どもという存在、子どもという時期に対する認識が劇的に変わった時代だったからだろう。エレン・ケイの『子どもの世紀』は1900年だし、モンテッソーリが子どもの家を創立したのは1907年、アメリカで第一回児童福祉ホワイトハウス会議が開催されたのは1909年。ちょうど、子どもが「弱者」ではなくて「大切な存在」と認識されはじめた時代だった。
ボウルビーが、子どもの健康にはアタッチメント(愛着関係)が重要だと言ったのは1969年。半世紀近くも先!
アマラはすぐ死んじゃったけど、カマラは7歳半(とシング牧師が推測)で捕獲されたあと9年も生きた。生まれてからずっと7年以上も人間を知らず、人間の体なのに狼みたいに歩き、走り、食べて、ある日突然人間と暮らすようになったら、今度は人間みたいに暮らし、食べるようになった。
本の中では「遺伝と環境」にまでしか考えが及んでいないけど、子どもというのは(あるいは人間すべて、動物すべて)、アタッチメントがないと生きていけないんだなとしみじみ思った。愛してほしいという気持ちは、ほとんど唯一の生きのびる術なんだなと。相手がたとえ狼であっても。
‥‥『ニューヨーク・タイムズ』‥‥1926年10月23日の第一面に掲載されていた。‥‥翌日の第11面に続報が載った。(訳者あとがきより)
参考:ちょっと前に『野性の少年』という映画を見たときの日記。

 
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