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映画『ホテルルワンダ』

2010年6月26日 土曜日 22:29

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戦争のときの闘争心と、野球やサッカーでヤジる人と、なんか出てるアドレナリンが似てるように思える。違うのは分かるけど、なんか誰でも因子を持ってると感じてしまう。

たった11人でも、国を背負って戦う集団というのは、なんだか不気味。11人がテレビ視聴率43%とか占めて、国のムードをなんとなく変える。なんとなく。はじまりはいつも「なんとなく」。

こないだ、会社に来てた人が「北朝鮮の人のうち、何割くらいの人があの国営放送をマジメに聴いてるんだろう」と、まさかそんなにいないだろうという口調で言っていた。ほかにも彼は、日本のある地方へ行って、土地の人のアイデンティティの持ち方にびっくりしたりしていた。

そういう、自分の手にしているものさしが世界標準だと信じ込んでるような人が、東京でマスコミの仕事をしてる。

「なんとなく」は、「無自覚」に巣くう。

‥‥なんか話が遠いな。

映画は、フツ族とツチ族の内紛の話。

この映画における悪者はフツ族(国民の多数派)。でももともとフツ族のほうが差別を受けてきた。まあ、もともとといっても、それよりもっと前は、遊牧民か農耕民かの違いだけで平和にやっていたのが、白人がルワンダを植民地するようになって差別が生まれてしまったらしい。そういうごたごたの最後の紛争が、この映画の背景です。詳細はwiki参照。

で、主人公は、四つ星高級ホテルの支配人でフツ族のお父さん。フツ族だけどいい人。人種で差別したり闘争したりすることを間違っていると感じている。奥さんがツチ族で、子どもも4人いて、すごく仲良しで‥‥。

映画って、その内容を説明するのは虚しいことです。音楽でも舞台でも、お祭りでもなんでも、感動したものの対象について説明するのは虚しい。なぜなら、その映画や舞台やお祭りは、言葉で説明できないから映画や舞台やお祭りなのであって、それがどんなものか知りたいならググればいくらでも出てくるし、それ以上に正確で分かりやすいデータを整える自信ぜんぜんないし。

だから、いつも書くのは、それを見たり体験したりして自分がなにを考えたかとか感じたかとかだけなんだけど、今日はなんとなくサッカーのことと、それから、無自覚の罪深さとか、ホテルでたくさんのツチ族を救った主人公の能力の高さについて考えたり感じたりした。

自分のすべてを理解している人間はたぶんいない。無自覚は誰にでもある。

わたしは最近、自分のちょっと嫌な部分に気付いた。案外根深くて、直らないだろうなと思うけど、自覚はしておきたいなーと思っている。

あと、主人公はすごく強くて賢くてやさしくて、あの判断力とか行動力とかは自信に裏付けられてるからにちがいないと思うんだけど、自分のダメな部分への自覚も自信と同じくらいるんだろうと思った。ダメな部分への自覚から人は当然逃げがちなんだけど、それだと結局輪郭がぼやけるのでダメ。いざというときに役立つ自信は、もっとエッジの効いたやつじゃないと。

日本はこの映画を、商業的になりたたないってことで最初どこも配給しなかったらしいけど、こんなおもしろいのになぜ成り立たないんだろう。ルワンダ紛争じゃ広告的に弱かったのかな。ものがたりの作りは非常にうまく、ぐいぐい引き込まれた。

あ、テーマが暗いわりに配給権が高かったから、だと。すでにいろんな賞をとっちゃってたんだ。(wiki参照)

映画は無関心について大変批判的だったけど、差別とか内紛とかは、日本にいるとどうしても遠い。『闇の子供たち』も、あれ日本人は加害者側であって、加害者というのは被害者の気持ちに対して徹底的に無関心だよね。じゃなきゃいろいろ破綻してしまうから。‥‥という部分を江口洋介が演じていて、傑作だった。これもストーリーもうまかった。