小説『桐島、部活やめるってよ』


桐島、部活やめるってよ
朝井 リョウ
集英社
売り上げランキング: 3466

うほー期待通りかそれ以上の、懐かしいきな臭い空気感。

ああいうどどどーっとなんの億劫さも怯えもなく日々を進めていく感じ、集団あってのあの流れみたいのを感じていたら、なんか結婚したくなった。

あと書きたくなった。

今日はほんとにすごくすごく珍しく小説なんて読んでいる。
桐島〜は図書館で予約して、読みたかった気持ちすっかり完璧に忘れるくらい待たされて、やっと来たやつ。
その前に、iPhoneで『舞姫』を読了した。

阿部一族・舞姫 (新潮文庫)
森 鴎外
新潮社
売り上げランキング: 104262

そういえば舞姫も高校時代の感傷がまじってるなー。授業でならったので。

国語の授業は、というか授業って、ほかごとできない、退屈な、強制力のすごく強い時間で、高校時代以来ああいう環境に身を置かされたことがないと思う。

なくなってみてしばしば思うんだけど、わたしは国語で物語をやる時間がものすごく好きで、評論文とかの時間は教科書の先の方の小説読んだりして楽しんでて、授業で扱う頃には絶対一度は読んだことあるような状態だったんだけど、それをなおかつ、先生の懇切丁寧な解釈付きで理解するのは本当にたのしかった。

舞姫って、

 石炭をば早や積み果てつ。中等室の卓のほとりはいと靜にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ來る骨牌仲間も「ホテル」に宿りて、舟に殘れるは余一人のみなれば。(後略)
-青空文庫より-

こんなむづかしい文だよ。これがすごく好きだったという印象。もし今回が初見だったら、とても最後まで読めなかった。国語の授業のあの時間の追憶として、楽しんだまで。

あと、授業の時間は、その強制力から必然的に思慮を深くする時間になる。あの時間に夢を見たし、内証を楽しんだし、自我のかなりの部分を培ったと思う。

大嫌いだった日本史の教室の窓枠と中庭と、中庭の向こうの本校舎とその窓と、その窓に映る空は、本当によく見た。あの先生の声と仕草を、その内容はまったく咀嚼することなく、音と風景として捉えた。熱くも寒くもない、きもちいい季節の感覚だけ残ってるなあ。先生は教師の前は研究者だった人で、人前でしゃべるタイプの人じゃなくて、自分の好きなテーマについて喋るときだけうっかり「気の利いた教師」ぶって脱線してみたりするときの楽しい気持ちを出し惜しみするあの語調と身振りは好きだった。

話をもどすが、大好きだったはずの『舞姫』を32歳で再読して思ったのは、昔のブンゴー、フェミ的にほんとウゼー! 金持ちのインテリじじいが、ヨーロッパの貧乏でバカで天使のように美しい少女にのぼせ上がった上、無責任に金で捨て去るんだぜ。ありえない。なにが文学だ!!

でもそのあと、自分より一回り年下の男の子が書いた『桐島〜』を読んで、「女子なんて、かわいいカノジョ演じるのが楽しいんだよな。結果オトコに都合のいいオンナが生まれるわけだけど、それも健康的だわ。」と思い直した。

ブクログと、絵本『トマトさん』


読んだり読みたかったりな本を記録する気はぜんぜんないが、ブクログのブログパーツがかわいいのでサイドバーに入れてみた。

いままでこういうのやらないようにしてきたけど(アマゾンのアフェリエイトは使いまくってる。※一円ももうかってない)、かわいいブログパーツは集めてみてもいいかも、と思う。

ブクログの本棚には、これぞというお気に入りを並べようと思ったんだけど、そういう本あんまりなかった。わたし本当に本がすきなのだろうか。

『トマトさん』はヨコイチの表紙なのにタテイチに揃えられちゃってムンクの叫びみたいになっちゃっててかわいそう。ああ、トマトさんはいい本です。まさに今の季節にぴったりです。

トマト、ぷるんとまんまるでまっ赤なあの夏の味のトマト。あれが、川のせせらぎを聞いて、ミニトマトがぽちゃんぽちゃんと水に飛び込むのを見て、心のそこから「うらやましーーー」と思う。真夏の炎天下。トマトのプライドとかいろんなことから水に飛び込めないのだけど、それがハートフルないろいろを経て、どぶん!!ととびこむんです。そしてかわをぷかぷか泳いでゆく。

はー、思い出すだけできもちいい。

トマトさん (こどものとも傑作集)
田中 清代
福音館書店
売り上げランキング: 137658

つやっぺー。この表紙ほんとに好き。大好き。

今日は家に帰ってもパソコンがないので未練たらしく会社でどーでもいい書き込みをしている。

絵本『モチモチの木』


モチモチの木 (創作絵本 6)
斎藤 隆介
岩崎書店
売り上げランキング: 19876

何度か読んだことあったけど良さが分からなくて、なんでこれが名作なのか不思議だった。そういう本はいっぱいあって、たとえば『3匹のヤギのガラガラドン』は、今も、なんで子どもに大人気なのか分かりません。最近映画になった『かいじゅうたちのいるところ』もあんまピンと来てない。

で、『モチモチの木』はやっと「うーむすばらしい!」と感じて、うれしかったのでここにしたためることにした。

最近、斎藤隆介の文章が良くて、『職人衆昔ばなし』『職人衆昔ばなし〈続〉』をAmazonで古本で買った。

1968年に出た本で、職人さんのはなしを聞き書きで書いている。雑誌の連載をまとめたもののよう。聞き書きをこんなにうまくやって、語り口を活き活きとさせるのはさすがだなあと思った。職人の仕事とか生活とか仕事観、人生観のほかに、時代の匂いとか、職場の匂いとか、息のリズムとか、そういう、人と仕事の温度っていうか、うまくいえないけど、とにかく言葉で説明ができないそこにまとわりついてる空気みたいなのが、うまく描かれていた。

そっちから良さが分かって、『モチモチの木』に帰ってきたらやっと良く思えた、という次第です。

映画『カポーティ』


カポーティ コレクターズ・エディション [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2009-12-23)
売り上げランキング: 14146

小説家カポーティが、凶悪事件の犯人に深くシンパシーを感じ、惹かれていき、歪な友情を深めていくはなし。

この事件を新聞で知ったのをきっかけにノンフィクションノベルという新しいジャンルに着手。取材中から手応えを感じていて、書けばさらに具体的に成功が見えてきた。前評判も上々。あとは犯人から事件当日のことを聞き出し、死刑を見届ければ作品は完成する。作家として、この事件にのめり込み、夢中で執筆するカポーティ。

一方、犯人は死刑が決定しながらも、予想に反し執行は延期を繰り返す。作家としてだけでなく、友人としてものめりこんでしまったカポーティにとっては、一人の大切な友人を失うことに怯える日々が続く。精神的に弱っていくカポーティ。

作家として事件を利用する自分と、最良の理解者として支える自分。苦しみながら、この二人の自分を往き来する毎日。

全部体言止めで終わるわたしの文章。

この映画、試写室で寝ちゃって見れなくて(でも面白いのは分かったから作品は紹介した)、DVDがレンタルリリースされたとき借りたけどやっぱり寝ちゃって、それでやっと今夜見た。最近忙しくて、もうこの2時間しか見るときないなと思って見たら、そこそこ集中できた。

おもしろかった。

成功者も落伍者も、愛に飢えている。安直な言い方だけど、いつもそう感じる。

この映画には原作がない。この事件を通してカポーティが書いた『冷血』があるだけ。この映画は静かで地味で暗くて、文学みたいだ。だから寝ちゃうんだけど。

冷血 (新潮文庫)
冷血 (新潮文庫)
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トルーマン カポーティ
新潮社
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これを機に書けなくなったカポーティはまだ冷血じゃなかったということで、犯人も、そういうカポーティに心開いたということは、まだ冷血じゃなかったということだ。

本当に、人が人を裁くなんて、いやなことだ。

NHK 美の壺シリーズ


千代紙 (NHK美の壺)
千代紙 (NHK美の壺)
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日本放送出版協会
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この本を図書館で借りたら、シリーズでいっぱいあることを知ってしまった!!!

アマゾンで大人買いしたいけど、そんなの大人の判断じゃないと知っているので、シリーズの中でほしいものだけここに列挙することで暴れ馬みたいな物欲をなだめます。どうどう。

切子 (NHK美の壺)風鈴 (NHK美の壺)アールヌーヴォーのガラス (NHK美の壺)花火 (NHK美の壺)銭湯 (NHK美の壺)魯山人の器 (NHK美の壺)青磁 (NHK美の壺)藍染め (NHK美の壺)香道具 (NHK美の壺)織部焼 (NHK美の壺)和菓子 (NHK美の壺)明治の洋館 (NHK美の壺)文房具 (NHK美の壺)帽子 (NHK美の壺)盆栽 (NHK美の壺)文豪の装丁 (NHK美の壺)切手 (NHK美の壺)風呂敷 (NHK美の壺)櫛 (NHK美の壺)かるた (NHK美の壺)