石巻でヘドロ臭になってしまった車内にいたら、無性に風呂が恋しくなった。次の目的地はひとまず風呂!
というわけで、『まっぷる』(2011年4月発売)片手に「女川温泉ゆぽっぽ」をナビの目的地に設定。松島にもお風呂はあったみたいだけど、戻るのやだし、海ぎわで次のポイントとしては女川でいいかなといいかげんに判断。
このときはまだ、テレビでよく聞く地名と、被災状況の映像がまったく結びついていなかった。どこがどれくらい被災していて、どれくらいの復興状況なのか、よく分かっていなかったし、あまり興味もなかった。ひとくくりで「東北の太平洋側」という把握。
(これは、関東以西に住む人に多いと思う。ひとくくりにしてざっくり把握、これは風評被害の根源。)
石巻港を出て、ひとまずコンビニで水分補給。
駐車場裏の住宅街は、津波にさらわれたままのと建て替え済みの新築が混然としている。
↑一階部分がごっそりさらわれている。
↑静岡県の同町名の方々がボランティアに来て、寄せ書き残していったよう。
さて出発。
ナビに従って30分ほど走ると、風景はいよいよ殺風景に。
確かに「女川」って被災地としてよく聞く地名。風呂は本当にあるのか。
(女川の写真は、縦横比1:2のワイド版で掲載します)
ナビに従い、さらに走ること15分。「目的地周辺です」というアナウンスが聞こえたときに目の前に広がっていた風景が、以下。
なるほど、風呂はない。
臭いとホコリがすごい。
↑建物が横転して海に浸かっている。
↑もしもこの風景を見ながら風呂に入れたら、最高の気分だったろう。行楽シーズン、台風一過の晴天、入江。
↑海に浸かっている建物の陰に小魚が泳いでいる。人工物以外は津波のことなど忘れたように穏やか。
どの建物がなんだったのかぜんぜん分からないけど、このあたりには駅も町役場もあった場所のよう。
塩竈でも石巻でもなかった現象として、女川にはデジカメを持った人がたくさんいた。そういう人用というわけでもないのだろうけど駐車スペースもしっかりあって、みんなそぞろ歩きしながら被災風景を撮影していた。
わたしはここからさらに海沿いに北上して、北上川へ出たかった。
道は「ブルーライン」という一本道のみ。抜けられるかどうか分からなかったけれど、あちらから来る車もあるし、通行止めの案内もなかったので、行ってみることにした。
ほとんど海も見えない山道で、アスファルトがひび割れていたり穴が空いていたりするところもあったけれど、それでも気持ちのいいドライブができた。途中、小さな港や民家もあったりして、なんとか抜けられそうな気配を感じながら進む。
ところが、30分ほど走ったところで、通行止めに当たる。
砂利道が右方向に続いていて、タイヤの跡もある。誰も止めない。抜けられるのか。
道は、細い渓流を渡る部分が断絶していた。
この日は朝から砂利道ばかり走って冷や汗かきっぱなしだったので、ああもうやだな、と思ったけれど、ここまで来てUターンもできない。道なき道を行く。
徐々に砂利が粗くなる。川も渡れるとは思えない。
ついに、道がなくなる。タイヤの跡はなんだったんだろう、と車を降りてみると、跡はここでUターンしている。なるほど、わたしと同じ志を持った冒険者たちの足跡だったのだ。
足元は砂利だと思って走っていたのに、それはいつのまにか牡蠣の殻になっていた。
自然にできた貝塚なのか、捨てられたものなのかよく分からない。
ちなみに、このUターン地点はここ。
ここから1時間も北上すれば北上川に出れるのに、来た道をすごすごと石巻まで戻らなきゃいけない。女川を経由して。
昔見た、夕焼けの北上川が見たかった。北上川に太陽がキラキラ反射して、幅の広いゆったりした川が黄金の川みたいに光ってた。10年前の宮城旅行の中で、いちばん強烈に覚えているのがその景色だった。




























































