春の標高830mで初テント泊

春の標高830mで初テント泊

去年の秋、赤岳に登ったときに思った。

「山の上で連泊して、この景色の奥へ行きたいな」
「テント泊で、身ひとつで、山を歩きつづけたいな」

‥‥というわけで、いろいろググったり見たりググったり聞いたりググったり悩んだりして、ひとまず寝袋とエアマットを買いました。
この記事は、その寝袋とエアマットのテスト使用の記録です。

季節・場所・メンバー

  • 春(2021/4/19-20)
  • ふもとっぱらキャンプ場(山梨県朝霧高原、富士山の西のふもと)←標高830m
  • わたしと友だちのふたり

天候

予報どおり、雲ひとつない晴天。

装備(寝具・テント関連)

まずはわたしの装備。

以下、友だちの装備で、わたしも使わせてもらったもの。

夜の冷え込みと、服と、湯たんぽ。

到着した昼過ぎから夕方までは、長袖2枚でちょっと暑いくらい。
気温はチェックしなかったけど、体感で20℃弱くらいかと。

ところが、日が沈み始めると同時に、気温が一気に下がっていく。

20時ごろ、あんまり寒かったのでタープを触ってみたら結露してた。
20時で結露! 明け方には、タープの下に結露の雨が降っているかもしれない。
あわよくばタープで寝ようと思っていたけど、この時点でテントに入れてもらうことを決めた。

わたしは、

  • メリノウールの下着上下
  • モンベルの長袖Tシャツ
  • 山と道のDW5ポケットショーツ

の上に

を着込んで、湯たんぽを抱いて、寒さに震えることはなく、夜の焚き火を楽しんだ。
この湯たんぽは思いつきで持ってきたのだけど、本当に命を助けられた。
これがなかったら日暮れからずっと寒さに震えて、焚き火を楽しむどころではなかったと思う。

いよいよ、テントのなかへ!

23時ごろ、いよいよ就寝。

寝床は、ステラリッジテント(ダブルウォール)のなかに、100均のアルミレジャーシートを敷いて、その上にエアマット、3シーズン用の寝袋、という装備。
わたしは寝るときにシャリシャリの質感を身に着けているのが苦手なので、ダウンジャケットをフリースジャケットに着替え、レッグウォーマーは脱いで締め付けもなくし、寝袋にからだを押し込めた。

眠気が来ないので、ランタンの光で本を読む。
なかなか眠気はやってこない。
いったんトイレへ。(トイレに行くのは、眠れないときのわたしの入眠儀式)

最初はエアマットの質感とか、エア枕の落ち着かなさのせいで、入眠しにくかった。
でも、だんだん寒さが気になってきた。
テントの壁面を触るとうっすら湿っている。結露している。

もしかして、と寝袋の表面を触る。こちらもやっぱり、ひんやり湿り気をおびている。
寝袋も結露‥‥。
大丈夫、大丈夫。お店の人も「このダウンは多少の湿気は弾いてくれる」と言っていたし──気休めと分かっていながら、頭のなかでそうくり返す。

防寒を強化しなくては。
わたしはモンベルのレインパンツを着て、エマージェンシーシートでマットと寝袋をくるんで、カシミアのショールを首に巻いて、湯たんぽを抱いてなんとか就寝。

寝袋のなかで、ふもとっぱらのライブカメラをチェックすると、気温は2℃だった。

ココアと霜と、氷点下の夜明け。

少し寝ては、目が覚める。その繰り返しで、4時すぎまでしのぐ。
鳥の声が聞こえはじめて、外もすこし明るくなってきた。日の出の5時7分まで1時間を切っている。

よし、いっそ寝苦しい寝袋のなかにいるよりも、夜明けを楽しもう!

テントの外に出たのは4時半ごろ。
寒いけれど日の差す明るい世界!
広くて美しい世界!

急いで火を熾して、薪をくべる。
赤く広がっていく炎。あったかい。
あったかいココアを入れ、湯たんぽの湯を沸も沸かし直す。

ほっとして目を上げると、目の前には富士山!
うぐいすがけたたましいくらいに鳴いて、牛や、しらない鳥や、友だちの寝息の音も聞こえてくる。
今日も、雲ひとつない、いい天気。

わたしたちのサイトからだと日の登る位置が茂みに隠れてしまうので、キャンプ場を歩くことにした。

朝! 雄大で美しくて空気のおいしい、光あふれる朝!

ひとしきり歩き、富士山と朝日に向かってラジオ体操もして、自分のサイトに戻る。
もうすっかり日は昇ってきたけど、足元は一面に霜が降りている。車にも、テントにも霜。

2℃というか、氷点下ですね。

でも、日が昇っていくと、気温もどんどん上がっていく。
わたしはレインパンツを脱ぎ、ショールを取って、ゆくり朝食をいただく。

8時ごろ、友だちが暑さに蒸しだされる感じでテントから這い出てきた。
「テント干さなきゃ」と思ったころにはもうすでにパリパリに乾いていた。
11時ごろには気持ちよく撤収作業完了。
寝袋も、干したてのふかふかパフパプ状態で、明け方のソレとはまるで別物になっていた。
寒いときにこそこのポテンシャルを発揮してほしかったよ‥‥これがダウンというモノなのか‥‥。

テント泊をしてみて分かった、5つのこと。

低山でも春はまだ寒い

「春のキャンプ場なら余裕でしょ」という思い込みがまちがいの元だった。
数日前にライブカメラの映像をチェックして「意外と寒いかも?」と警戒心を強めたけれど、そんなわたしの腑抜けた警戒心なんか、はるかに上回る寒さだった。

テンサーミディアムは冷気から守ってくれない

1日経ったいま、眠れなかった一番の原因はなんだったかと振り返ると、エアマットだと思う。
苦手な質感。高さがあるせいで寝返りが打ちにくい。そしてなにより、寒い。
テンサー ミディアム マミーは、「軽量・コンパクト」という点では抜群だけど、寒さには予想以上に弱かった。

寝袋に入ってすぐ(23時くらい)にはまだ背中からの冷えは気にならなかったけど、2時くらいになると、もう明らかに背中からの冷気が眠りを妨げた。
いつもなら朝までポカポカの湯たんぽも、寝袋に入ってから数時間で人肌くらいの温度になってしまった。

春秋の、朝方冷え込む時期に、このマットは厳しいかもしれない。
そして、わたしは多分そもそもエアマットが苦手だ。あの質感と、気軽に地面にはみ出ることができない、あの高さ。

キルト型の寝袋は仕様どおりにセッティングを

つぎに、寝袋。
これは、寝袋をマットに固定するためのバンドを1本、家に忘れてきてしまっていたのがまず失敗。
それで、仕様どおりの使い方をすることができなかった。
これはたぶん、かなり痛手だったんじゃないだろうか。
次の課題は、ちゃんと仕様どおりにセッティングすること。

ちゃんと使えていないのでレビューする段階にないのだけど、1言えるのは、わたしの寝袋は一般的なマミー型ではなく、キルト型。頭を覆う部分がない。
なので、頭はニット帽でなんとかなるとしても、首筋がどうしても冷える。
マットが身長より短いサイズで、枕で長さを補充するような使い方をしていたのも、首筋の冷えに災いした。
首周りの防寒は、なにかしら対策したほうがよさそうだ。

寝袋とマットは組み合わせで考える

寝袋とマットの相性、という問題もある。
キルト型の寝袋は、背中がダウンに覆われていない。だから、マットが冷気を防いでくれるのはとても大事
今後は、朝の冷え込みが気になる時期は、別のマットを使うか、あるいは折りたたみ式のマットと兼用するか。
なにか違うセッティングを考えなくちゃいけない。

「3シーズン対応」の現実

「3シーズン」の装備って、実際には春秋は厳しいのかも知れない。
このふもとっぱらでさえ、標高830m。
テン泊するなら、夜の装備は1シーズン分差し引くくらいの気持ちで構えよう。

この記事では、ひとまず「寝る道具」について記録しました。

寝ることについてはいろいろ学びと反省が多かったけど、でも、「初めて」だらけのこの1泊キャンプは、寝る以外は全部ものすごくすばらしかった!

焚き火をしたのも初めてだったし、
ニセピコグリルも大活躍したし、
クッカー類はぜんぶすすまみれの無骨ヤロウになっちゃったし、
服は燻製の臭いがいまも部屋中でプンプンしてるし、
だいたい、なんだこのでかい富士山は!その雄大さは!
キミに登ったときには、1ミリもそんな姿見せなかったじゃないか!
帰り道の本栖湖もお風呂もすごくよかった。

‥‥というようなことも、そのうち書きたいと思っています。書くかな、どうかな。

今日は、「さくらのレンタルサーバ」の人に教えてもらってワードプレスを設置して、ひとまず見た目を整えて、記事を1つ書いてみました。
それがこのポストです。
ブログの設置、デザインの調整、Youtube初アップ、GoogleフォトとWordpressの連携等々、ものすごくたくさんのハードルを乗り越えての「イマココ」です。

正午に始めて、もう夜の11時。
これから洗濯干したり、真っ黒のクッカーをどうにかしたり、します。するかな、どうかな。

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